夏の夕方。
カナコが家事をしているときに窓の外を見ると、家の前で小学生の息子ヒロシと、昨年お隣に越してきたタクヤ君が楽しそうに話しているのが見えた。タクヤ君はヒロシと同い年で、すぐに仲が良くなったのだ。
話を終えて帰ってきたヒロシに、カナコは「なんの話してたん?」と聞く。
「タクヤ、先週海に行ったんやて。で、500メートルも遠泳したらしいねん!」
「へーすごいなあ。タクヤ君水泳得意なんや」
「今ボクは25メートルしか泳げへんけど、100メートルくらい泳げるようになったら一緒に海に行こうやって言ったら、タクヤも行こう行こうって」
カナコはヒロシのことを「この子はすごいなあ。やればできる子だな」と思った。いったいどうしてだろう。
転載元: 「やればできる子」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9241
タクヤは耳が聞こえず、健常者のヒロシは手話でタクヤと話をしていたのだ。
タクヤが引っ越してきてから勉強し始めたのに、もうこのレベルの会話もできるようになっていることに感心したのである。