カメコが最寄り駅から自宅に帰る時は、徒歩でも車でも、ほぼ直線の最短経路を通るのが常だ。
ところがある日のカメコは、駅でタクシーに乗るなり運転手に「遠回りのルート」を指示した。
決して、自宅に帰る以外の用事があったわけではなく、道路周辺に通行の妨げになるような物があったわけでもない。
もちろん、時間もタクシー料金も余分にかかる。
しかも降りる場所は、自宅から見て道の反対側の歩道上になるため、カメコは自宅に入るのに、不本意ながらわざわざ道路を横断しなければなければならない。
カメコは何故、「遠回りのルート」を運転手に告げたのだろうか?
転載元: 「【HBC】イケメン運転手は登場しません」 作者: ニックネーム (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9100
カメコは今、体力が落ちていて立ち上がるのが億劫だ。
駅から真っ直ぐ向かった場合、自宅は上り坂の途中になり、止まったタクシーの座席は後ろに傾いた状態になる。
これだと立ち上がるのに余計な力が必要だ。
カメコは運転手に遠回りのルートを指示することにより、下り坂の途中で車を降りられるようにしたのだ。
これなら、止まった状態ですでに前のめりの体勢なので、立ち上がりやすい。
わざわざ道を渡らなければならないのは少し苦痛なのだが、立ち上がれないよりはマシだと判断したのであった。