人為らざるモノの訪れ

交通の便が良いのに値段が安い物件だったため、その家に引っ越してきたカメオ。
しかしある大雨の日の夕方、カメオが窓の外を見ると家の敷地の中に立っている女の姿があった。
それ以降も雨の日はほとんどいつもそこに女が立っていて、何やら曰く付きの物件だったのではないかと不安になったのだが、女は一体何をしているのだろうか。

カメオの家の屋根で雨宿りをするために彼の家の敷地内に少しだけ足を踏み入れてしまっていた女は、晴れの日は徒歩か自転車で、雨の日はバス通勤をしているのだろう。
いつも夕方の同じ時刻頃、カメオの家の真ん前にあるバス停にバスが来るのを待っていたのだ。