その日の晩飯は豪華だった。
選り好みが激しいAも、彩り豊かな料理の数々が盛り付けられた容器を手に取り、思わず歓声を上げた。
しかし、Aはその容器をすぐに他人に譲ってしまった。
なぜだろう?
*kUmaさん①のリサイクルです。
転載元: 「【いただきますか?リサイクル】I can take myself on a dinner date」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8888
*シェフAのお眼鏡にかなった、豪華なディナーコースの美しい盛り付け。大事なお客様にはシェフ自らが運ぶものである。
「どうでしょうシェフ?こちらの盛り付けは」
3つ星シェフのオーギュストAugusteのもとで働くクレールClaireは、彩り豊かな料理の数々を盛り付けた皿をシェフに見せた。
最も豪華なディナーコースの、メインを飾る一皿である。
「C’est parfait!素晴らしいね」
オーギュストの店で皿洗いや野菜の皮むきから修行を始めて、はや3年。
彼女もよくここまできたものだ。
もちろん調理そのものはまだ勉強中であるが、彼女の盛り付けのセンスは素晴らしく、オーギュストでさえ舌を巻くことがあるほどだ。
「ありがとうございます、シェフ。大事なお客様の一品とのことですので、心を込めて盛り付けました。ぜひ、シェフがお運びください。」
「ありがとう。温かいうちにお出ししないとな。何しろこの店の長年のお得意様、ランカスターご夫妻だ。挨拶してこよう。」
そう言って自慢の一皿を手に、テーブルに向かうシェフ・オーギュストであった。