男には、物心ついたときから『運命の赤い糸』が見えていた。
赤い糸は、老若男女問わず、ほとんどすべての人の指から伸びていた。身近なところだと、男の両親から出ている赤い糸は互いの指に繋がっているし、大概の夫婦は赤い糸で結ばれているようだった。(中には繋がっていない夫婦もいたが、そういう夫婦は後に離婚していた)
さて、そんな男にも、運命の赤い糸が自身の指から伸びていた。それは長く、遠くまで続いている。
糸の先にいる人に想いを馳せ、男は運命の人に会いに行くための旅に出た。
そして長い長い旅の果てに、ついに運命の相手を見つけた。
それと同時に、男はあることを発見した。それは何か?
おっ様にテストプレイをしていただきました。ありがとうございました!
転載元: 「運命の赤い糸」 作者: メラ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8885
男は「運命の相手を探しにいく」と言って単身旅に出た。
彼は、己にしか見えない運命の赤い糸を辿って、野を越え山を越え海を越え…いくつもの国や島を渡り歩き…そして…そして…
故郷の村にたどり着いた。
運命の赤い糸は、実家の隣に住んでいた幼なじみの女に繋がっていた。
女は10年ぶりに現れた男に驚きつつも、彼のプロポーズを受け入れた。そして、男は告白のあと、こう呟いた。
「どうやらこの世界は丸いらしい」
男が単身、地球一周を達成したのは、1500年代にマゼラン一行がそれを達成するよりも前の話。
誰にも信じられず、歴史に名を残すこともなかったが、男は密かに地球が丸いことを知ったのだった。