「運命の彼氏が見つかるといいなあ…そういう相手は意外と近くにいたりしてね。幸せの青い鳥、ってやつ?ね、カメたん。」
そう言ってラテりんがふと横を見ると、カメたんがばりばりと音を立てていた。
「…って、カメたん何やってんの???ダメだよ、そんなことしちゃ!」
きょとんした顔でラテりんを見つめ返すカメたん。
そんな自立心旺盛なカメたんの行動により、ラテりんの青い鳥が1羽いなくなってしまったのだが、どうしてなんだろう?
転載元: 「【二物衝撃 No.7】un viaggio per le stelle」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8802
*七夕の飾りについていた「折り鶴」の作り方を知りたいと思ったカメたんが、青い折り鶴を「解体」してしまったから。
カメたんと私は、語学留学先の同級生だ。
留学先では、自国のお祭りをみんなに紹介する機会も多いんだ。
私は、7月7日に、七夕を紹介することにした。
せっかくだから、短冊だけじゃなくて、いろいろな折り紙の飾りをつけたいよね…あ、でも私が作れる折り紙って鶴ぐらいだw
まいっか。それでも日本っぽさは出るよね。
「何それ!」「楽しそう!」「Wish upon stars, なんだね!!」
クラスメイトもみんな集まってきた。
「素敵な彼氏ができますように!」「痩せますように!」「きれいになりますように!」「あのお洋服が欲しい!」「成績が上がりますように!」「キャビンアテンダントになれますように!」
笹はないので、代わりのそれっぽい木に、一人一人短冊と鶴を赤い糸で吊るしていく。
しかし、そんな中で、カメたんは、せっかく作った折り鶴を枝から外し、それを「解体」していた。
「…って、カメたん何やってんの???ダメだよ、そんなことしちゃ!」
きょとんとしているカメたん。
その手の中の青い鶴…だったものは、少しずつ元の紙の姿に戻ろうとしている。
「だって、これどうやって作るのかずっと気になってたから…こうやって一つ一つ元に戻していったらわかるかなあって…」
「そんなのきけば教えてあげるのに!!」
「そうなの?私、お父様から、なんでもわからないことは自分で調べて考えなきゃダメだ、って言われて来たから…」
「そうなんだ…教育熱心なお父さんなんだね…それも大事だけど、わかんないこときくのも大事だよー。教えてあげるから、一緒に作ろっ!!」
「うん!!」
その後、幼稚園の先生になった私は、園児と七夕の笹の飾り付けをすることになった。
作業中の机に敷いた新聞には「教区熱心なお父さん」から王位を譲られるカメたんの写真と記事が載っていた。
「自分で道を切り開こうと努力することは大切です。でも、常にそれができる人、できる場合ばかりではありません。困った時には自分から助けを求めること、そして助けを求める人に進んで手を差し伸べることは、もっと大切だと私は考えます。私はそれが、このタルタルーガ国民の平和につながると思っています。」