たくさんの商品をポチりながら、良い時代になったなあ、と思うネット通販好きの女。
彼女がそう感じているのは、彼女が学生時代に負った傷によるのだという。
彼女に一体何があったのだろうか?
転載元: 「no, we ain't ever getting older」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8691
*マークシートミス。
大学受験センター試験翌日。
答え合わせをする女。
「問1③、問2⑤、問3④…あれ?何この問題?」
4問目にして、やった記憶のない問題が登場した。
つまり、これ以降の回答は、全部、ずれているということだ。
これまであんなに勉強してきたのに。
親や先生に知られたら、なんて言われるんだろう。
…まあ、結論としては他の科目の成績が良かったのと、二次試験で挽回できたのとで、なんとか志望校に合格はできたのだが、あの時の嫌な気持ちは、彼女に深い傷跡を残した。
以後、彼女は、マークシートをつけるのが怖くなった。
運転免許試験も、就職試験も、その度に嫌な思いが蘇った。
通販のマークシートですら、プレッシャーだった。
そして、「間違ってはいけない」という強迫観念から、逆に失敗して、「全然サイズの合わない靴」やら「凄まじい量の食品」やら「欲しくもない雑貨」やら「スペースに合わない家具」が家に届くこともままあった。
「今はいいよねえ。ポチるのはトラウマがないから。全然OK♪」
…数日後、「似合わない色の服」「サイズの合わないマットレス」「既に持っている本」「前使ってみて肌に合わなかった化粧品」が家に届いた。