カネオの家の家具は全て純金製。
彼はどうやってこのレベルの豪邸を用意したのだろう?
Q0:カネオはお金持ち? A0:いいえ
Q3kUmaさんの問題文です。
転載元: 「【遅れて金ますか?】引っ越し【リサイクル】」 作者: ノーキン (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8688
泉の女神様の力によって
むかしむかし、あるところにカネオという猟師がいました。カネオのいる村は貧しくもなく豊かでもなく、あくまで平凡な農村で皆、平和に暮らしていました。
ところがある日、凄まじい嵐が村を襲います。
山に囲まれたカネオの村は周囲の山からの水で沈んでしまいました。カネオは猟の途中で山に登っていたため、何とか山小屋に避難できました。
嵐が過ぎた明くる日、カネオは村の様子を見に行きました。ひどくぬかるんだ道を進むと、ゴンベェがいました。ゴンベェはカネオを見て喜びます。
「カネオォ、生きとったか。良かった良かったぁ。」
しかしすぐに困り果てた表情に戻ります。
「あとの者は村長以外はみーんな流されてしまっただ。しかもなあ、女神様に家も奪われてしまった。」
「女神様?」
「んだ、『あなたが落とした家は?』とか聞かれたから正直に『普通の家だー』って言ったのに取られちまったんだ。あんな悪い女神様もいるもんなんだな。」
「そんな馬鹿な。正直に答えると金銀砂子が貰えると俺は聞いたんだがな。ところで村長はどうしたんだ。」
「村長は『金の家を落としましたか?』と聞かれて、すぐ『はい』なんて答えたからー、『欲深き者よ立ち去れ!』とか言われてどっか遠くに吹っ飛ばされただ。」
「何をしてるんだか、あの人は。」
さてカネオは困りました。「(まさか正解が『銀の家』というわけでもあるまいし。それとも泉の女神と見せかけた化物なのだろうか。)」
ひとまずカネオは女神が現れた、という場所に向かいました。
カネオ達は村の入口に至る道に来ました。まだ村は水没しており酷い有り様です。
カネオ達が泥の水辺に立つとどこからともなく綺麗な女神様がカネオ達の目の前に現れました。女神はカネオに問いかけます。
「あなたが落としたのは『金の家』ですか?」
「いや、そんな家見たこともねえ。」
女神は再び問いかけます。
「それでは、あなたが落としたのは『銀の家』ですか?」
ここでカネオは何か違和感を覚え、少し答えをためらいます。しかし、少し考えた程度ではまだ分からなかったようです。
「いや、銀の家なんてのも見たことがねえ。」
女神はさらに問いかけます。
「それでは、あなたが落としたのは『普通の家』ですか?」
カネオは黙り込みます。カネオの村の家は確かに嵐による大洪水で水没しました。しかしそれは『落とした』と言えるのでしょうか?
「いーや、俺は何も落としてねえし、そもそも家なんてでかいもの持てるわけがねえ。」
カネオがそう答えると、女神は微笑みます。
「その通りですね。褒美にすべて差し上げましょう。」
女神はそう言うと突然目の前が光りました。
目を開けるとなんということでしょう。泥まみれの水は綺麗に澄みわたり、金の家、銀の家、普通の家が三軒並んでいるではありませんか。
………………水中に。
「……………ゴンベェ、これはどうしろと。」
「……………飲み水は確保できたと思うしかねえな、カネオ。」
水が引いて家に住めるようになるまで更に一月を要しましたとさ。
そして金の家はカメオが、銀の家はゴンベェが、普通の家に村長が、そして村の井戸には女神様が住むようになりましたとさ。おしまい。