【足ますか？リサイクル】con te partirò

「こんな泥棒稼業からは足を洗え？な？お前、刑務所の中でもちゃんとやれてたんだから。まだ若いんだし」

「はい…もう足は洗います」そう言って俺は刑務所の門を出た。

こんな日に限って外は土砂降り。

確かに刑務所には塀があるけれど、その代わり、屋根も壁もあった。
俺には行くあてもない。
刑務所では上着も靴も貸してもらえてたけど、今の俺には何一つない。
でも歩くしかないんだ。

俺は、足が汚れるのも構わず、泥濘の中を一歩一歩進んで行った。

「大変！どうしたの！？」

こんな泥まみれの道には似つかわしくない高級車から、やはりこの場には似つかわしくないモデルみたいな美女が降り立った。

「どこに行くの？送るけど…もし行く所がないんだったら私たちの『お仕事』を手伝ってくれない？寮もあるわ。とりあえず車に乗って。詳しいことは、タカシ、あなた、説明してあげてね？」