「ヘンリック!来てくれて良かった!」
日本で行われる会合に出席することになった昔のチームメンバー、ヘンリックソンとの再会を喜ぶ御影。
「ほんとだよ…花吹雪の時期には少し早かったのが残念だけどね。」
「そうだね…でも、会合は明後日からでしょ?明日オフだったら、ドライブ行かない?ヘンリックは自然が好きだものね。」
「Super! 僕がアウトドア好きなのを覚えててくれて、嬉しいな。」
翌日。御影の運転で、里山が美しい長閑な郊外に向かった二人。
外はまだ肌寒いが、空は青く、高い外山の上の方は、少し山肌が煙って見える。
「もう会うことなんてないと思ってた…Mikage-san…」
そう呟いてヘンリックソンは目を潤ませた。
感情をあまりあらわにしない、あのヘンリックソンが…御影はヘンリックソンのことをじっと見つめた。
そしてヘンリックソンも。
二人の距離が近づく。
と、次の瞬間。ヘンリックソンは顔を背けた。
(え、どうして?私なんか悪いことした!?!?)
動揺する御影。
実際、御影には何の落ち度もないのだが、なぜヘンリックソンは顔を背けたのだろう?
*6月3日(土)23時頃終了の予定です。変更がある時は別途お知らせします。
*百人一首 その七十三【たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ】からのinspireです。
転載元: 「I'll make a wish, send it to heaven」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8671
*くしゃみをするため。この人の逆で、日本の花粉に合わない体質だったのだろう。
(山が煙って見えたのは、花粉のためである。)
「Ahchoo!!Ahchoo!!!(はくしょん!!)」
「Bless you…っていうか、ほんとに大丈夫?」
「わかんない…急に来た…何これ…」
「あー…もしかして花粉?」
「え、Hay fever(花粉症)なんて無縁だったのに。」
「いや、うちの上司も日本の花粉は平気だけど、海外行くとなるって言ってたからそのパターンなのかも。」
そうか。この季節って花粉が飛んでるんだ。
そういえばいとこもいつも辛そうにしていた。
フィジカルが激強だとこういうとき困る。
…あ、ていうかあの山が煙ってるのもしかして花粉のせい?よくCMでやってるやつ?
「…なんかごめん。街帰ろうかw」