誰の助けも借りずたった一人で草原に生える無数のクローバーの中から何の特徴も無い正真正銘の四葉のクローバーを見つけ出したカメオ。彼が使ったものは金属探知機だけである。カメオは一体どのように金属探知機を使ったのだろうか?
*Q14 おっさんのリサイクルです。
転載元: 「【金ますか?リサイクル】among the fields of gold」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8652
*落とし物を探すため、金属探知機が反応した所をくまなく探していたら、偶然その近くで四葉のクローバーを見つけた。
その近辺で落とし物を探そうと思わなかったら、クローバーを見つけることもなかっただろう。
「あら、どこへ行ってしまったのかしら?」
一緒にクローバーの野原を散策していた、ジュエリーデザイナーのガーネットはそう呟いた。
「どうしたの?」
「ピアスを片方落としてしまったみたい。でも、こんな所で見つかるわけないわね。諦めるわ。」
そうため息をついた彼女の片耳には、緑色の石のついた四葉のクローバーの形をしたピアスが輝いていた。
「それは…エメラルド?」
「いいえ、ツァボライトなの。名前にちなんで買ってもらったのだけど…大事にしていたのに…」
誰に、とは聞けなかった。ただ、その落胆した横顔は美しすぎた。
僕は、家に帰って、なぜか家にあった金属探知機を持ち出した。
歩いた場所をかたっぱしから調べるために。
反応があっても、それらはたいてい、釘やら瓶の蓋やら何らかの金属片だった。
そもそも、あんな小さなピアス、この程度の金属探知機では検出できないのかもしれない。
それでも諦めたくなかった。
少しでも反応があったら、その近くをくまなく漁った。
少し暗くなってきたし、今日はもう終わりにしようかと思ったその時だった。
金属探知機が反応した。
反応した所を細かく調べた。
すると、キラッと光る緑の石が目に止まった。
ガーネットのピアスだった。
そして、その横には、偶然にも、本物の四葉のクローバーがあった。
このピアスを金属探知機が見つけてくれなければ、そして、その周りを必死で探さなければ、四葉のクローバーに出会うことはなかった。
幸運というのはある。
でも、最後は努力しなきゃだめなんだ。
「これかな?落としたピアス。」
「え…どこで見つけたの…?」
「ずっと見て回った。金属探知機持って。そうしたら、これも見つかったよ。はい。」
そう言って僕は四葉のクローバーと、四葉のクローバーの形のピアスを両方渡した。
「…ありがとう。」
「大事なプレゼントだったんだろ?」
「ええ、父が最初に買ってくれたジュエリーだったの。」
「そうか…お父様が…」
「それがきっかけで私はジュエリーの道に進むことになったんです。
本当にカメオさんは親切で、忍耐強い方ですね…もしよろしければ…」
「…え?」
「お付き合いしていただけませんか?」
*ツァボライトの石言葉:「忍耐力」。
ツァボライトとは、グリーンのガーネットのことを指します。