「こんなはずじゃなかった、こんなはずじゃ・・・」
そう言って項垂れる魔法使い。床には砕け散った皿の破片。手には杖(ワンド)。周囲からの、養豚場の豚を見るような目。
魔法使いはその日、久しぶりに酒場で飲んでいたところ、ドストライクゾーンのエルフの美女と出会ったのでナンパしたのだが、どうして項垂れることになったのだろうか?
メライクル Q7のオマージュです。
メラさん問題文のご提供ありがとうございます。
転載元: 「【メライクル】まほうつかいグルグル」 作者: メロトロン (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8631
宴会芸の皿回しに失敗したから。
エルフの美女に一目惚れした魔法使いは、「お嬢さん、僕と一杯どうですか?」と声をかけたが、無視されてしまった。魔法使いは、「そんな冷たくしないでよ。僕は昔、遊び人(芸人)だったんだ。こんな芸もできるんだぞ」と言って自慢の皿回しを披露しようとした。細い杖を皿回しの棒代わりにして、ぐるぐると回してバランスを取ってみせた。最初は上手く回せていたのだが、次第にバランスを崩し、皿が飛んで行ってしまった。皿はエルフの美女の頭に直撃して割れてしまった。美女は悲鳴を上げて立ち上がり、「あなた何者?!許さないわ!」と怒鳴った。店主も「おいおい、何やってんだ!店の皿を壊すな!金払え!」と怒った。他の客も「ほらほら見ろよ!バカが皿回しに失敗したぞ!笑えるな!」と嘲笑った。大見得を切ったのに失敗してしまったこと、店の備品を壊してしまったこと、芸の腕が衰えていたこと、エルフの美女に恥をかかせてしまったこと、元芸人としてのプライドを傷つけられたこと等、後悔の念がぐるぐる頭の中を巡った。そして周囲からは、養豚場の豚を見るような目。魔法使いは項垂れることしかできなかったのだった。