繰り返された間の悪さ

私の兄は間が悪い、幼いころは喧嘩中の両親に余計なことを言って喧嘩をヒートアップさせてしまったり。
中学校の時は大雨の中で駅にいる私に傘を届けようとして雷に打たれ重症。
高校の時は友達と兄の好きな人の事について話していたらその人が近くに居て兄は告っても無いのに振られ
大学生の時は帰省時に実家で飼い始めた私の愛犬に手をかまれる。
社会人になってからは私と会っている所を彼氏に見られ浮気相手と勘違いされ殴られるといった始末だ。

兄が間の悪い不幸にあうたびに私も気まずく間の悪い思いをする事になる天性の間の悪い兄妹と言えよう。

ある年の事だ、私は久しぶりに兄と会うことに気乗りしていなかったが
実際に会ったときは嬉しくなって喜んで話しかけることとなった。

しかし兄がおもむろに「ある物」を確認すると口から出たのは母さんへの非難の言葉。
（このことに関しては母さんも十分悪いといえるのだが…それは別の話だ）

結局その後兄は泣いて母さんに懺悔と感謝をする事になったんだけどね。

君たちに出題したいのは兄が確認したある「物」は一体何かだ
そんなに珍しいものでもないので頑張って解いてみてほしい。

正解「カレンダー」

大型車に轢かれ何十年も植物状態だった兄が起き上がった事に気づいた私は喜び話しかけた。

しかし私は年月の経過により兄が事故した当時の母さんにそっくりな姿になっており
起きたばかりの兄はいまいちピンと来ていない。

「カレンダー」を見て今日が４月１日である事を確認した兄は
母さんがたちの悪い嘘をついていると思い怒って罵声をはなつ。
（雷に打たれて回復した時に似たような事を言ったらしい…困った母さんだよほんと）

私はあれから何十年もたつこと、母さんが死んだこと
その事による病院の手続き変更の為に今日たまたま自分が病院に来ていたことを説明する。

事態を正確に理解できた兄は生活が苦しくなっても自分を見捨てず治療費を払ってくれていた
母さんの愛に感謝しさっき放ってしまった自分の言葉に懺悔しつつ号泣することになったとさ。

なーんて書いてるけど私も一緒に号泣しちゃったんだけどね。
今回も私に間の悪い思いさせてごめんとか謝ってるけど馬鹿な兄だ、そんな気持ちはまったくないのに。
本当に間が悪かったのは近くの病室にいた患者さんとかお見舞い客だろうね、大音量の鳴き声が響いてるんだもの。