殺してやる……。
死ねよ。
お前なんか、死ねばいいんだ。
生きている価値がないんだ。
殺してやる。
お前は、死ぬべきなんだ。
転載元: 「殺意」 作者: 灰色ヤタガラス (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/839
カメオ(殺してやる……。
死ねよ。
お前なんか、死ねばいいんだ。
生きている価値がないんだ。
殺してやる。
お前は、死ぬべきなんだ。
……どうして。
……どうして、お前はまだ、生きているんだ。
早く死ね。
そうだ、そのまま……首をつって、さっさと死ぬんだ。
これ以上、周りに迷惑をかける前に。
そうすることが、お前に出来る、最後の償い。
なに、誰も悲しみはしない。また面倒な死人が、一人出たという、ただそれだけのこと。
最後に、警察とかに、少し面倒ごとをかけるだけで、それ以上の不幸は何も与えない。
むしろ、一人、目障りな役立たずが消えて、せいせいさせることが出来るはずだ。
だから、死ね。お前の自殺は、この世に益をもたらすことが出来る。
殺せ。
最後に、あと一歩、踏み出せ。
そうだ、そのまま。
そのままーー)
ーーガクン
(解説)
自分のあまりの不甲斐なさに絶望したカメオが、これ以上周囲に迷惑をかけまいと、首をつって自殺しようとしているところであるから。
つまり、問題文の「殺してやる」は、カメオが自分で自分に向けて心の中でつぶやいた言葉である。
(以下、蛇足)
とはいえ、このときカメオは、首つりをうまく行うことが出来ず、低酸素脳症で脳と精神に軽い障がいを負い、しかし、それでも何とか生きていくと決意する。
もう二度と、自殺はしないと心に決めて。
自分には生きている価値がないけど、自殺する力もないから。カメオは、自殺の失敗で、それを思い知ったから。
そうして、ときに強いめまいや頭痛に襲われる日が週に2,3日はある面倒な人生ながらも、新しい生きがいを見つけ、そこそこの生活を送ることが出来ている。
ーー強く生きよう、とカメオは思った。