「ちょいとそこの…そう、おまえさんじゃ。ちょいと占いでもどうじゃ?1回1000円じゃよ。…うむ、では占ってしんぜよう。どれどれ…んっ!?」
*この問題は亀夫君です。皆さんは、占い師になりきって、できるだけ依頼者の希望に応えてあげてください。YES/NOで答えられない質問もできます。
*True EndとBad Endがあります。
*Q6 メラさんのリサイクルです。
*百人一首 その六十三【いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな】からのinspireです。
転載元: 「【占いますか?リサイクル】true love that he thinks of」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8235
*ルキの悩みが「転職を上司に勧められたこと」であることを解明する。
ルキの年齢で、「転職」ということを悩みにしていることから、何か事情てがあるものと気付くことがポイント。
*そこから、ルキが「その上司に会いたい人がいることを相談したところ、この仕事には向いていないと言われたこと」を聞き、その会いたい人が「サンタクロース」であることを突き止める。
「サンタクロースに会えることを否定せずに、いつか会える希望を持たせてあげること」がTrue End(=できるだけ依頼者の希望に応える)。
もちろん、「gattabiancaの過去問」から、Santa Claus Inc.の存在を教えてあげても良い。
*なお、「サンタクロースの存在」を否定すると、Bad Endになる。
*ルキは仕事を聞かれると、「最近は事務や発送、上司の手伝いなどをしているが、以前は荷物を受け渡したり売り子などもしていた」と話す。
うっすらと違法かもしれないと思っているので、あまりはっきりとは言いたがらない。
*さらにその前は、街中でマッチを売っていたことも話す。
*サンタクロースに会いたい、というのも、知らない人に言ったら馬鹿にされるんじゃないかと遠慮し、自分からはなかなか言えない。
…ルキがうちに来てから、もう5回目の冬のことだった。
ルキは、冬の街角で、裸足でマッチを売っていた。
そういう子を若いうちからスカウトして、薬物の密売や詐欺などに使うのが、うちの常套手段だ。
中には、もっとダーティーな仕事をやってもらうこともある。
…とはいえ、決して無理強いはしないし、ましてや暴力など振るわない。
きちんと報酬は払うし、自由時間も与えるし、必要な勉強もさせてやっているし、バーベキュー行ったりケーキ食べたり、いろんな楽しみも用意している。
裏切り行為は厳しく処罰・粛清するが、きれいに足抜けしたいという奴は、無理に引き止めたりしないし、見込みのある奴なら次の仕事を紹介してやっている。
少なくとも、服も着せずに真冬にマッチを売らせる奴らよりはずっと子どもたちにましな待遇をしているし、なんならあの子たちをそういう搾取から救ってやっているのが私たちだ。
ルキは覚えも良く、賢く、とても素直だった。
手先も器用で、メンバーの家族の小さい子どもの面倒なんかもよく見た。
なので、だんだんと、外周りの仕事ではなく、組織の事務とか、私の個人秘書や手伝いみたいなことをやらせるようになっていた。
元々若い女の子は少ないし、組織の男どもの変な虫がつかないよう、教育は一手に私に任されていたので、どう使おうが私の勝手というところだ。
ある日、私はふと訪ねた。
「ルキ、あんた会いたい人いる?」
ルキはずっと真面目に働いてくれていたし、久しぶりに暇を出してもいいと思ったからだ。
「いえ、私は家族もいないですし、学校にも行ってませんでしたから友達もいませんでした。ただひとつ…」
「ただひとつ…?」
「サンタクロースに会ってみたいです。みんな親を通じてお願いしたり、手紙を書いたりするらしいけど、私は頼む親もいないので、直接会って話をしたいのです。」
こんな歳までサンタクロースを信じているとは、素直過ぎにも程がないか。しかしなんでまた…
「良い子にしていれば、サンタクロースは来ると書いてありました。私は勉強も、織姫姐さんのお手伝いも、一生懸命していますが、良い子ではないのでしょうか?」
あんたのやってるのは犯罪行為の片棒担ぎだからね、そう言おうと思ったところルキは口を開いた。
「私の周りにはひどい人たちがたくさんいましたし、これまで辛い思いもしてきました。だから今になって、サンタさんに直接言いたいこと、お願いしたいことがあるんです。」
ああ、世の中の奴らが全員地獄に堕ちますように、でしょ?うちに来る子はよくそんなことを言う。
そして、そういう奴らは、率先してテロにも手を染めてくれるのよね。
「私以外の世界中のすべての人が幸せになりますように、って」
「えっ!?…あんたは?」
「私なんて、幸せになる資格ありませんから。」
私の頭の中で何かが崩れた。
それから数日後、思い切って伝えた。
「あんた、うちの仕事向いてないかもしれない。あんたぐらい頭が良ければどうとでもなるし、なんか探してきてやるから、ちょっと待ってなさい」
「え、そんな。私…」
「とりあえず今日は休みでいいから、街に行って一人でのんびりしてくればいいわ。ずっと私としか外出してなかったでしょう?
ああ、心配しないで。マッチ売らせてたひどい人たちは、裏から手を回して黙らせてあるから、嫌がらせの心配とかはないわ。
帰る頃にはいいようにしといてあげるから。」
「織姫姐さん、今日占いに行ってきました!
私サンタさんになれるんじゃないかって!
本当でしょうか?」
「ああ…このアンドレイっていう人に連絡してみるといいわ…まだあんたは若いから見習いからになるかもしれないけど、女でもいいって書いてあるし、あんたは賢いし、器用だし、子ども好きだし、きっと向いてる。このトナカイ捕まえる仕事に回されたら、なんで銃が使えるのか不思議がられるかもしれないけど、それは適当にごまかしときなさい。それに何より…」
「何より?」
「あんたは他の人の幸せを願ってる。」
「良かったんですか、織姫姐さん?数少ない女性幹部候補、って言ってたじゃないですか。彦星リーダーからは文句なかったんですか?」
「あの子は私の個人秘書みたいなものだから、好きに処分するわよ、って言ったら、特に反対意見はなかったわ。あの子にとってもこの方が幸せでしょ。」
「そうですか。鬼の織姫姐さんにそんな顔があったんですね。」
「…タカシは黙ってなさい。」
「それにしても、泣く子も黙る天下のベガ・アルテアから、世界中の子供達の憧れサンタクロースなんて、そんな転職ルートあるなんて誰も思いませんねw」
“Santa, tell me if you’re really there
Don’t make me fall in love again if she won’t be here next year”
自慢のロングヘアを珍しくポニーテールにまとめた織姫は、歌いながら部屋を出て行った。
ルキ:元マッチ売りの少女。15祭。
悪徳業者に搾取されている状態から、テロリスト集団「ベガ・アルテア」の副リーダー織姫に拾われた。
当初は違法薬物の売買等の手先として使われていたが、織姫の個人秘書のような状態になる。
織姫:テロリスト集団「ベガ・アルテア」の美しき副リーダー。彦星はリーダー、タカシはその片腕となるイケメン幹部。
Santa Claus Inc.:サンタクロース業務を引き受けるホワイト企業。様々な部署に分業され、最近は女性の採用も進んでいる。
「ベガ・アルテア」及びSanta Claus Inc.については、gattabiancaのプロフィール「キャラたち etc.」欄参照。
*ルキの名前は光を司る聖人聖ルキア(Santa Lucia)より。
クリスマスアドベント期間に行われる聖ルキア祭では、マッチ売りの少女の故郷デンマークを含む北欧諸国を中心に、少女が蝋燭に火を灯して行進するなどの風習がある。
なお、苗字白鳥は「はくちょう座」から。
*Inspire元の和歌の作者藤原道雅は、不遇な家庭環境で育ち、かなりの暴虐乱行を行った、今でいう「不良」だったとされる。
*「サンタさん もし本当にいるのなら もう誰かのことなんて本気で好きになりたくない あの子が来年ここにいてくれないんだったら」(Ariana Grande “Santa tell me”)
ハイポイントポニーといえばAriana Grande。
原文では女性の男性に対するラブソングなので、”he won’t be next year”であるが、ここでは、織姫がもう自分のもとを去る女性の部下、ルキのことを思って歌っている。