ナオキチは河童の力士です。
『キュウリは曲がっていても大好き。でも曲がったことは大嫌い。』という信条で生きています。
ナオキチは、川のほとりの居酒屋で、キュウリを注文しました。
ナオキチはキュウリを一口かじると、店主の河童に話しかけ、
「これは本当にキュウリですか?」と尋ねました。
「はい…キュウリに間違いございません。」
「そんなはずありません。俺の知っているキュウリは…」
「それはズッキーニではございませんか?」
ナオキチはショックを受け、店を出た後、川に流されました。
一体どういうことでしょうか?
本問題は、この問題のチャット欄のGoTo_Labelさんの書き込み、
「キュウリじゃなくてズッキーニだと気がついてショック死。」から着想を得ました。
この場を借りてお礼申し上げます。
転載元: 「キュウリじゃなくてズッキーニ」 作者: メロトロン (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8220
ナオキチが今までキュウリだと思っていたものは、実はズッキーニでした。
どうしてそう思ってしまっていたのか。
それは、ナオキチに最初にズッキーニを渡した人間(名をズキ男とします)が「これはキュウリだ」と嘘をついたからです。
ズキ男は、ナオキチとの相撲に負け、命乞いをしました。
河童の好物がキュウリだと知っていましたが、あいにくズッキーニしか持ち合わせがなかったので、一縷の望みをかけ、ズッキーニをキュウリだと言って差し出しました。
(そのズッキーニは曲がっていました)
ナオキチはキュウリとズッキーニを見たことも食べたこともなかったので、手渡されたズッキーニをキュウリだと思い込みました。
そして食べてみたら大変美味しく感じられたので、満足したナオキチはズキ男を見逃しました。
その後、ナオキチは何人もの人間と相撲を取り、いずれにも勝利を納めてきました。
時折、ズキ男のように命乞いをしてくる者がいたので、キュウリを要求しました。
「そうすれば命だけは助けてやる」と言って。
キュウリを要求された正直者は、本物のキュウリを渡しました。
しかし、ナオキチはズッキーニをキュウリだと思っているので、
「これはキュウリではない!騙すつもりか!」と怒り、止めを刺しました。
逆に、キュウリと偽ってズッキーニを渡してくる嘘つきもいました。
その者は正直者として扱い、見逃してきました。
『キュウリは曲がっていても大好き。でも曲がったことは大嫌い。』という信条で生きているナオキチは、嘘が許せません。
ナオキチは、ズキ男を見逃して以降、正直にキュウリを渡す者を嘘つき扱いして止めを刺し、偽ってズッキーニを渡す嘘つきを正直者扱いして見逃してきたことになります。
そして時が流れ、問題文の状況となりました。
ナオキチは、今まで間違っていたのは自分だった、曲がっていたのは自分だったということを理解し、ショックを受け、川に流されたのでした。