イアンの、母に関する記憶は遠い日の夜にさかのぼる。
その日、彼は母にモスクワ郊外の人気のない路地裏につれていかれ、ここで待つようにと言われた。
冬の夜、モスクワという極寒の地で彼は待っていた。辛くて苦しくて、あともう少ししたら死んでしまうだろうというところで、幸いにも保護された。
それから十数年の時が流れた。
母に捨てられたイアンはその後、裕福な家庭の養子となり、そのまま親の仕事の関係で日本に移住した。
前述の幼い頃の記憶は、彼にとって辛いものだったので、いつしかモスクワに住んでいたことさえ忘れていたのだが、とあるお店に書かれたある4文字の言葉を見たとき、ふいに彼の脳裏を刺激し記憶が甦った。
さて、その4文字の言葉とはなんだろうか?
おっ様にSPをしていただきました。ありがとうございました!
転載元: 「久遠の夜」 作者: メラ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8165
よる、ろしあ、し、くるしみ…
店のシャッターに書かれたありふれた落書きを見て、彼の脳裏にそんな言葉が浮かんだ。
それらは彼の幼い頃の記憶を刺激し、かの日のことを思い出したのだった。
FA:夜露死苦