観察力の高い聡明な男が、初めて訪れる、古くからの歴史ある村を散策している。
男は不意に「173年前の10月にこの村でなにか災害が発生したでしょう」と連れに語り掛ける。
「いや、知りませんが……災害というと?」
「疫病や飢饉ではなさそうです。洪水か、あるいは台風とか竜巻とかでしょうか」
確かめるとたしかに男の言うとおりだったのだが、なぜ男はそれがわかったのだろう。
ただし、男は災害のことを記述した文章を村の内外で見てはおらず、建物や地形に災害自体の痕跡が残っていたわけでもない。
転載元: 「災害 Q.E.D.」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8147
村の墓地に、同じ日付が刻まれた墓が多数あったから。