テレビに映る黒いコスチューム姿の正義のヒーローに憧れたブルース。
彼は自分の庭に大麻の種をまき、芽吹いた苗木に毎日水やりをして育てる中で自分の成長を実感した。
一体どういうこと?
*Q13 kUmaさんのリサイクルです。
転載元: 「【葉っぱますか?リサイクル】your love lifts me up like helium」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8103
自分が父と同じ状況になり、父の残した大麻の種を育てながら、大麻を育てたお金で自分を育ててくれた父に対して感謝を感じられるようになったから。
俺が幼い頃、父は、いつもテレビ電話で誰かと話していた。
表情は硬いけど優しい声をした男と、目が覚めるほど綺麗な女。
いつも黒い服を着て、サングラスをかけていた。
とてもかっこよくて、俺にとっては、ヒーローみたいなものだった。
その二人から時々指令を受けて動いている父は、少し自慢だった。
…俺が成人し、その二人が泣く子も黙る凶悪なテロリスト集団、ベガ・アルテアのリーダー、織姫と彦星だと知るまでは。
俺は犯罪行為の片棒を担いで金を稼いでいた父が許せず、実家とは一切連絡を取らなかった。
そして父が亡くなったと聞いた俺は、数年ぶりに実家を訪ねた。
大麻の畑は枯れ果てていた。
やっぱりそんなもの、やめておけば良かったんだと俺は思った。
その後、俺は、結婚し、子供もできたが、妻は子供が生まれるとすぐに流行病で命を落とした。
俺は、父と同じように一人で子供を育てなければいけなくなった。
そして、男手ひとつで子供を育てるのがどれだけ大変なのか、よくわかった。
父も、俺を育てるのは大変だったに違いない。
仕事を減らさなければいけなかった分、どうしても「それ」の副収入が必要だったのだろう。
だから、俺が一人前になったら、下請けの栽培はやめたのだ。
そんなことは俺には一言も言ってなかった。
確かに犯罪はだめなことだ。でも、それは父なりに考え抜いた結果だったのかもしれない。
俺は、複雑な気持ちで、父の残した最後の種に水をやり、その成長を見つめながら、父の人生に想いを馳せていた。