鏡越しの自分にエールを

「鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのはだぁれ？」
お后様の問いかけに、真実の鏡は答えます。
『それはあなたです。お后様』
お后様はその答えに大変満足しておりました。

ところがある日、お后様の耳に不穏な噂が入りました。
継子の白雪姫こそ、世界一美しく愛らしいという噂が。

「なんてこと！　いつの間にあんな噂が！？
　この私を差し置いて、あんな小娘が世界一美しいというの！？
　鏡よ答えなさい。世界で一番美しいのは誰？」

『それはあなたです。お后様』
お后様の問いかけに、真実の鏡は答えます。

それを聞いたお后様は真実の鏡を信じられなくなりました。
何故でしょう？

「なんてこと！　いつの間にあんな噂が!?
　この『それはあなたです。お后様』
……？
「……私を差し置いて、あんな小娘が世界一美しいというの！？
　鏡よ『それはあなたです。お后様』
…………？？？
「……答えなさい。世界で一番美しいのは誰？」
『それはあなたです。お后様』
「明日の天気は晴れ？　雨？」
『それはあなたです。お后様』
「あなた本当に真実の鏡なの？」
『それはあなたです。お后様』
「…………」

商品名「真実の鏡」
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