笹の花が咲くと笹が枯れるとか、不吉なことがあるという言い伝えがある。
ある施設では、笹の花が咲いて笹が大量に枯れたことで、利用者の半数以上から苦情が寄せられるようになった。
特に珍しい笹だとか、人々がその笹を目当てに来ているわけではないというのだが、なぜだろう?
*百人一首 その五十八【ありまやま ゐなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする】からのinspireです。
転載元: 「it was the wicked and wild wind」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8039
A温泉の老舗高級旅館「亀の坊」は、その伝統ある佇まいで人気のお宿である。
中でも、笹林に囲まれた、幽玄な雰囲気の露天風呂は、旅行サイトやガイドブックに必ず掲載されるほどの目玉だ。
特に女性客からは大変評判が良い。
ところが、ある日、その笹林の笹に花が咲き、一斉に枯れてしまった。
しばらく風が強い日が続いていたこともあって、細い笹の枝は尽くなぎ倒されてしまった。
「ちょっと?何これ?外から丸見えじゃない?」
そう、今まで、その露天風呂は、笹林のおかげで外部から隔てられていたのである。
宿泊の半数以上を占める女性客からは大顰蹙。
「亀の坊」では、慌てて対策を取ることにしたのだが、「露天風呂を楽しみに来たのに!」という女性客からのクレームがしばらく続くことになったのである。