夜の闇を彷彿させる深い色合いの珈琲を嗜む男がいる。
その男は己が死ぬであろうことを予見していた。
しかし男の予見は外れ死ぬことはなかった。
なぜ?
*Q16 メロトロンさんのリサイクルです。
転載元: 「【黒ますか?リサイクル】a coffee machine that needs some fixing」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8018
「ごめんなさいお父さん」
「なんだ」
「お父さんの大事な珈琲カップを割ってしまいました」
「なんだと」
「なので これは毒だから子供は飲んではダメだ と言われていた お父さんのとっておきの珈琲を飲んで 死んでお詫びしようと思ったのです」
「なんてこった」
「でも死んでも死に切れませんでした 申し訳ありません」
「仕方あるまい 形あるものはいつか壊れるのだ 正直に言ってくれてありがとう」
「あとですね お父さん」
「なんだ 眠れないのか」
「いえ そうではなく
あれめっちゃうまいですね」
「…さすが我が息子だ その歳であの珈琲の味がわかるとは」
後に、親子の営む珈琲専門店「コピ・ルアック」は大人気店になったとか。