朝日が昇る時には、彼女と別れなければいけない。
男は、頭ではそのことを誰よりも理解しておきながら、来る日も来る日も、愛しい女との日々を過ごしてきた。
しかし、とうとう女の元を去らなければいけない時がやってきた。
男は女を嫌いになったわけではないのに。毎日朝はやってくるのに。
なぜ男は、この日まで女の元を立ち去らなかったのだろう?
なお、命を落とす人物は登場しない。
*9月3日(土)23時頃終了の予定ですが、48時間以上質問がなければ、切り上げる可能性もあります。
*百人一首 その五十二【あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな】からのinspireです。
転載元: 「Maybe the streets alight, maybe the trees are gone」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7834
*極夜が終わって南極に太陽が戻ってきて、そこでの男の仕事も終わったから。
南極で研究に従事する男。
男の調査対象は、日が昇らない極夜状態の自然環境なので、日が昇るようになったら、その任務は終わる。
太陽が南極に姿を表すようになると、男は南極を去り、国に戻って研究所の機械を使ってデータをまとめ、研究論文を仕上げなければいけない。
一方男の愛人は、南極で設備の整備にあたる職員なので、1年中そこに駐在している。
男が愛人と過ごせるのは、太陽が全く昇らない冬の間だけだ。
極夜の時期が終わったので、男は南極を去って、北半球の妻の元に帰る。
真っ暗な冬の間だけの恋人を、地の果てに残して。