五月病に苦しむ立夏の夜。ユウトはおぼつかない足取りで家路に着く。新人教育は上手くいかないし、会社の揉め事には巻き込まれ骨も折れるし、今日は散々な1日であった。
彼は公園の片隅に腰掛け、家で自分のことを待つ妻、ユイカのことを思い浮かべる。いつも遅く帰ってばかりの毎日。申し訳なさで一杯だ。
「転職かぁ…」ユウトは溜息を吐いた。今の会社を離れる準備は出来ているが、いまいち足を1歩踏み出す気になれない。ユイカに自分を勇気づけて欲しいのだ。そう思った。彼はおもむろにスマホを開いた。
ユウトがこんな願いをメッセージアプリでユイカに伝えると、ユウトが撮ろうとした公園の写真は、星煌めく夜空が更に写り込むアングルになった。
これは一体どういうことだろう。
転載元: 「立夏」 作者: Duffy (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7828
今日は散々な一日だ。足の骨を折り病院に運ばれたカメオは、松葉杖をつきながら家路に着く。
背中を押して欲しい。
ユイカにそうユウトは送った。新しい職を見つけるための後押しをして欲しい一心だった。
今どこにいる?
その言葉に返信を送るため、写真を撮ろうとした瞬間だった。
自分で漕げないはずのブランコが推進力を得て、前方に動き始めた。
後ろを振り向くと、愛する妻の姿がいた。「これでいいの?」と彼女は言った。
「ここにいると思った」笑う彼女を見て、ふっと気持ちが軽くなったような気がした。
ブランコによって少し上を向いて撮った写真には、多くの星が写りこんでいた。
【解答】ユイカに送った、「背中を押して欲しい」という要望にユイカが応え、ブランコに乗った「足を骨折している」ユウトの「背中を押し」、撮影するアングルが上に向いたたから。