これはオカルト研究家の岡 流雨人(おか るうと)によるU村に関する文献(1954年)からの抜粋である。
きっかけは、当時オカルト話を集めていた私が、Aさんという方から1枚の手紙を貰ったところから始まる。
Aさんが産まれた村(以下U村)では、土地神様を信仰しており、雨乞いをすると必ず雨が降るというものだった。
AさんはU村の閉鎖社会に嫌気がさして都会に出たらしく、その後は村には戻ってないそうだ。
興味を持った私は、Aさんの手紙にあった地図と共に、U村へと調査に向かった。
U村はN県の辺境にあり、村は外部との交流がほとんどなく、住民の半数がこの村で一生を過ごすそうだ。
また住民のほとんどは農家で、自給自足によって生活しているようだ。
(中略)
U村のそばにある山には、歴史を感じさせる神社があり、その土地の神様が祭られているらしい。
毎年豊作を祈る祭りや、収穫を祝う収穫祭などが行われているそうだ。
また日照りが続くと、この神社で村長や巫女の一族によって、雨乞いの儀式が行われることが分かった。
雨乞いの儀式によって、雨が降ると言い伝えられているが調査の結果、
雨が降るまで祈り続けるだけで雨を降らす効果はなかったと考えられる。
その証拠に数十年ごとにくる旱魃の年に、雨乞いの効果が一切無かったことが分かったからだ。
また、U村に流れる一番大きい川(以下B川)には、白い大蛇が住み着いており、人間をさらって食べてしまう。という言い伝えがある。
これは、この川での水難事故が多いことから作られた話ではないかと考える。
(中略)
ある結論に至った私は、その後もう一度この村に足を運び、オカルトはあるのだと確信した。
【問い】なぜ、他の村に比べてU村は子供の水難事故が多いのだろうか?この村のオカルトの真相と共に答えて欲しい。
転載元: 「雨乞いと水難」 作者: SM (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7782
【要約】雨季で川が増水しているのに、この村だけ晴れ続けているから。川に遊びに行く子供が他の村よりも多い。
【解説】
この土地の神様は、日照りの神様。
雨季のはじめに祈って晴れさせることで、毎年作物を安定して育てていた。(豊作を祈る祭り)
雨乞いの儀式は、日照りをやめてもらうだけであり、雨を降らせる効果があるわけではない。
雨季だからよく降るだけである。
B川は、唯一、村の外から流れているので、上流のほうでは普通に大雨が降り、川はたびたび増水する。
にもかかわらず、U村だけは晴れ続けるため、子供たちが川で遊んでいることが他の村より多い。結果水難事故が多くなる。
オカルト研究家の岡は、雨季にもう一度足を運び、この村だけが晴れ続ける様子を見てオカルトを確信した。
【補足】時代と共に信仰心も薄れ、人口も減り、現在この村は存在していない。