ある女がレストランでモンブランを注文した。しかし彼女はモンブランを一口食べたところで止め、店員を呼び、「これは本当にモンブランですか?」と尋ねた。それは間違いなくモンブランであり、店員も「はい」と回答した。これを聞いた女はモンブランを店員に突き返すとテーブルに万札を置き、そそくさとレストランから出ていってしまった。さてこの女、一体どこへ向かったのだろうか?
・登場キャラは女と店員のみです。
・犯罪要素、恋愛要素、非現実要素、カニバリズム要素はありません。
・モンブラン以外のケーキでは成立しません。
*この問題は亀夫君です。店員は女がどこに向かったか疑問に思っています。
店員に質問をして、女がどこに行ったか当ててください。YES/NOで答えられる以外の質問もできます。
*Q13 おっさんのリサイクルです。フルリサイクルがんばりました。
転載元: 「【繰り返しますか?リサイクル】Versace promises I will, Dolce Vita」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7766
白山
【店員が知っていること】
*女はこのレストラン「La gatta soriana」の馴染み客である。
*女は、1万円のプリフィックスのコースを頼んだ。
*「イタリア風モンブラン」はこの店の新作ドルチェ。
*見た目はこんな感じ。(なので、女はモンブランだと思わず、上記の質問をした。)
*生クリームがあまり得意でないのを知っているのに、出してしまったことを申し訳なく思っている。
*店員は、このモンテビアンコはアルプスの名峰を表現した、と伝えた。
*女は馴染み客なので、店員は、女が旅行好きだということも知っている。
*女は、「決心しました。」というような台詞を残して店を去っている。
【女の心境】
*女は、このご時世なので、海外に行くのは難しいだろうと考えている。
*店員の「白い山」という説明を受けて、白山に行こうと決めた。
いい歳をしてバックパッカーに目覚めた。お金がある大人のバックパッカーは、気軽で悪くない。
ただ、このご時世、海外をフラフラ歩くこともできない。
夏休みはどこに行こうか。とりあえず、いつものsorianaに入って考えるか。
なになに…「イタリア風モンブラン」、か…新しいドルチェね。楽しみだわ。
って、なにこれ?この白い円錐型のもの。
モンブランって、茶色とか黄色のマロンペーストがグルグル、ってやつじゃないの?
しかも、これ、生クリームだ…申し訳ないけど、私ちょっと生クリームは苦手…
「これは本当にモンブランですか?」
「はい。モンブランとはアルプスの名峰から名付けられたお菓子です。
神崎川様ならいらしたこともあるのではないですか?
原型がこのイタリアの『モンテビアンコ』です。茶色い山肌をご当地名産の栗のペーストで、冠雪を生クリームで表したと言われています。
元々モンブランとは、『白い山』の意味ですからね。イタリア語のモンテビアンコも同様です。栗の部分はほとんど隠れてしまっているものなのです。」
なるほど、そういえばアルプスに行ったのは、もう10年前か。
私は登山とは縁がなくて、せいぜいトレッキングぐらいだけど、あの時のモンブラン…モンテビアンコは白く輝いていたのを覚えている。
白い山…日本で言えば白山か。
今はイタリアのモンテビアンコは見に行けないけど、この機会に日本の美しい自然を愛でに行くのも悪くない。
「…どうもありがとう。これで決まったわ。
ああ、ごめんなさい、私生クリームがあまり得意ではなくて。こういうモンブランだとは存じ上げなくて。栗部分は美味しくいただきました。こちらがお勘定です。」
「さようでございましたね。気付かず申し訳ございません。」
私は、白山行きの切符を買いに、駅に向かった。