海外駐在中の逆瀬川雲雀。
会議に出席する直前に、取引先の柴島清に資料を送り忘れていたことに気付いたので、現地スタッフのラベンサラ・パチューリ氏にメールの送信を頼むことにした。
「ごめん、ラベンサラさん、私、これから会議に出なきゃいけないから、この資料をベチバー社の柴島さん…清に送っておいてくれる?」
「わかりました。キヨシのアドレス教えてもらえますか?」
「はい、これ。」
「ただいま〜
あ、清に送っておいてくれた?」
「いや、それが送れないんです。」
「どうして? 私やってみるね。」
「送れたよ?」
「え、おかしいな?」
さて、ラベンサラ氏が送ることができなかったのに、逆瀬川が送れたことには、以下の要因が関係している。
(1)逆瀬川が常にスマホを手放せないこと。
(2)逆瀬川が日本人であること。
(3)逆瀬川が取引先の複数の職員と交流があること。
(4)ある業者の不手際。
この4点によるものだというのだが、どういうことだろうか?
*この問題はメラさんのSPを受けています。
メラさん、ありがとうございました。
転載元: 「you're not gonna reach my telephone」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7700
(1)逆瀬川はスマホのせいで老眼気味である。
(2)逆瀬川は、日本人同士では、清のことを「柴島さん」と名字で読んでいる。しかも、柴島の読みが「くにじま」であることも知っている。
(3)逆瀬川は取引先の職場のアドレスが名前の頭文字+名字で成り立っていると知っている。
(4)名刺作成業者のミスプリント。
逆瀬川は、ラベンサラ氏に、柴島清のメールアドレスが印刷された名刺を渡している。
しかし、そこに記入されていたのは、
k-kuniijma@….
というアドレスであった。
本来であれば、
k-kunijima@…
でなければいけないところである。(4)
しかし、(1)の老眼、及び(2)と(3)の知識から、逆瀬川はルーペを使ってまで細かい字を確認しようと思わず、勝手に「k-kunijima」と書いてあると判断した。
一方、ラベンサラ氏は、自国の習慣に基づき、日頃キヨシとファーストネームで読んでいるので、柴島というファミリーネームには馴染みがない。
仮に何回か清のファミリーネームを聞いたことがあったとしても、難解な海外のファミリーネームの綴りなど、一度で覚えられるわけがない。
なので、特に綴りの意味も考えずに、律儀に名詞に書かれたとおりのアドレスを入力したら、届かなかったのである。