真面目な男がカメコに、将来を考えている恋人ウミコについて相談に来た。
カメコは、ウミコがどんな人か知るために色々と質問をした。
カメコの問いに対し、男は、ウミコは24だと答えた。
それに対して、カメコはけげんそうな顔をした。
「おかしいですね。そんなはずはありません。何かお間違いでは?」
男は、うろたえ、自分が何か間違っていたのかもしれないと思い始め、慌てて去って行った。
カメコは、男が本当に真面目な人なのだなあと好ましく思えた。
なぜだろうか?
転載元: 「24/7」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7625
男は彼女の指輪のサイズが24だと思っていた。そんな大きなサイズであることはまずあり得ない。
(*人により要知識ですので、買おうと思った女性物のサイズが、24ではあり得ないということが当たっていれば正解とします。)
ファッショニスタでシューフェティッシュのカメコ。
サザンモートのセレクトショップ「Chatte Blanche」の店長であるが、定休日には、時々友人のジュエリーショップのヘルプに入っている。
すると、飾り気のない身なりの、真面目なそうな男、銀次郎が入店してきた。
経験上わかる。この男は、婚約指輪を買いに来た。
カメコの勘は当たった。
女性のプレゼントを買いに男性が来店したら、どのような女性か詳しく尋ね、できるだけその女性に似合うであろうものを見立てるのが、カメコのプロ意識だ。
ましてや、一世一代の婚約指輪、絶対にぴったりなものを選んであげたい。
そのみるからに真面目そうな男に、恋人ウミコの背格好、日頃のファッション、仕事、性格などを細かく尋ねた。
「わかりました。あ、一番大切なことですが、サイズはおいくつですか?」
「24、と言っていたかと。」
「24…?それはおかしいですね。そんなはずはありません。何かお間違いでは?」
「どういうことです?」
「女性の指のサイズで、24ということはまずありません。例えば私の左手の薬指のサイズは7です。どんな大柄な女性でも、15を超えることはなかなかないのではないでしょうか。」
男は少しうろたえると、恥ずかしそうに、
「すみません。何か間違っていたのかもしれません。また確認して戻ってきます。」
と慌てて去って行った。
それにしても、女性の指のサイズが大体どのぐらいか、ということもわかっていなかったのか。
今時なんて純朴ですれていない、真面目な男性なのだろう。
カメコは男のことを、非常に好ましく、微笑ましく思った。