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乖離

[ウミガメのスープ]

1:スーパー「ラテシン」で20年以上勤務している、ベテランの海亀カメコ(49)

2:ある日、カメコが陳列の作業をしていると、怒った女性の声が聞こえてきた。

3:反射的に振り向いたカメコの視界には、若い女性と小さい女の子が目に入った。

4:「わがまま言ってると、ここに置いていくからね!」と女性が言うと、女の子のほうは泣きべそをかいていた。

5:特に見覚えのある客ではなかったので、たまたま買い物に来たのだろうと思った。

6:カメコは最初、女の子のほうを見つめていたが「いつもの悪い癖だ」と思い目をそらした。

7:その後、今度は母親であるだろう若い女性のほうを見つめた。これは最近新しくできた癖だった。

8:「ああ、ちゃんと仕事をしなきゃ」カメコは止まっていた手を動かすと、日常へと戻っていった。

問題:6行目と7行目の間に、カメコの脳内で何が行われていたかを答えてください。


出題者:
出題時間: 2022年7月14日 21:04
解決時間: 2022年7月14日 21:21
© 2022 SM 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「乖離」 作者: SM (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7623
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解答:行方不明になったカメコの娘を、いなくなった時の年齢から、今生きてたらの年齢に置き換えて想像した。

1:20年以上前、スーパーで置いてけぼりにしてから行方が分からない私の娘。

2:すぐ怒って、すぐ泣いて、すぐ私を困らせる。 かわいいかわいい私の娘。

3:後悔してももう遅い。どんなに必死に探しても、見つけることができなかった。

4:それなのに、いまだに娘と同じ名前を聞くと、反射的に振り返ってしまう。

5:あの日からカメコの時間は止まっている。いつも想像の中の娘は小さいときのまま。

6:しかし時間は無情にも進んでいく。娘の年齢は、あの日の私よりも年上になってしまった。

7:「ただいま、遅くなってごめんね」と、大人になった娘が私のまえに現れるのを待っている。

8:本当は知っている。そんな日は来ないことを―――


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy