逆瀬川雲雀がまだ若かりしのお話。
ある晩秋、長期出張を控えた逆瀬川は、しばらく会えなくなるからと、付き合っていた恋人の家に行くために、車を走らせていた。
当時はまだカーナビなどもなく、地図を見てどこで曲がるかを頭に入れて、車を運転しなければいけなかったのだが、きちんと迷わずに家に着くことができた。
その後、長期の海外出張を経て帰国した逆瀬川は、愛しい恋人の家へと再び車を飛ばした。
もちろん、念のため、もう一回地図を見て場所を確認した。
しかし、今度は、道に迷ってしまったという。
なぜだろう?
*百人一首 その四十七【やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり】からのinspireです。
転載元: 「I confess I am lost」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7581
カーナビもなかった当時。
自分が曲がるべき場所は信号機の名前で判断していた。
11月、信号機の名前のプレートははっきりと見えていた。
しかし、それから半年の出張期間を経て、帰国した時には、街路樹が青々と茂っていた。
信号機の名称プレートは、茂る若葉に隠されて、はっきりと見ることができなかった。
それで、本来曲がるべき信号を通り過ぎ、道に迷ってしまったのである。