句読点と言えば「。」と「、」のことで、句点「。」は文の終わりに付けて文章を区切る役割があり、読点「、」は文中に挿入して文を読みやすくしたり文の意味を明確化したりする役割がある。さて、ここウミガメ国ではある日「文章を書く際、男性の国民は句点「。」のみ、女性の国民は読点「、」のみ用いるべし」とのルールが制定された。文章の作者の性別を判別するためという訳でもないのだが、一体何のためにこのようなルールがあるのだろうか?
* Q5 おっさんのリサイクルです。
転載元: 「【文系ますか?リサイクル】I’m on the right track, baby」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7431
子供達に徹底的に性差を認識させるため。
「何がダイバーシティだ!そんなものを認めたら国の風紀が乱れるに決まっている!」
2041年、新たにウミガメ国の政権についた垂直党は、強硬な保守化政策を推進した。
特に、先鋭的な文部大臣カメウスの元、学校教育の改革は徹底して行われた。
「男女同一の出席簿?論外だ。クラスを、できれば学校を分けろ」
「男には男らしく、女には女らしくする教育を受けさせろ」
「男のランドセルは黒、女は赤だ。他の色は認めない」
「そうだな…文章の書き振りも変えさせろ。句読点の使い方を分けるとかどうだ。」
「大臣、それは流石に文章の乱れにつながるのでは…ウミガメ語の尊重は総理のお達しでもございます。」
「どうせ、大人になったらみんな音声認識ソフトで文書を作成するようになるんだ。子供の頃にしっかり性別を認識するようになるメリットの方が大きいだろう。」
その方針の元、強引なまでに行われた教育改革。
国民からの反発は大きく、子供たちは全員、句点も読点も使うことをやめた。
「男だろうが 女だろうが かまうもんか そんなことで区別されるなんて くだらねえ」
「どうせ 大人になったら 音声認識ソフトで文書を作成するようになるから 関係ないでしょ」
国際社会からの圧力もあり、結果として、垂直党はわずか3年で失脚することになったのだが、その時期に流行したあえて句読点を用いない文学表現は、性別を超えた文学形態としてその後もウミガメ国に根付き、他国にも広まっていったというのだから、不思議なものである。