年の瀬のある日、とあるアパートの管理人のもとに住人から連絡があった。「隣の部屋の玄関扉の郵便受けに郵便物が溜まっていて、チャイムを鳴らしても応答が無い。様子を確認して欲しい」とのことだった。管理人は「あの部屋の住人は健康的な学生のはずだし、まさか部屋の中で亡くなっているなんてこともあるまい。実家に帰省でもしたのだろう」と考えたが、念のため学生の部屋を訪ねることにした。管理人の家からアパートまでは徒歩数分だが、外は寒い。厚手のコートを着込み、ポケットに学生の部屋の合鍵を突っ込んで家を出る。学生の部屋の前に着くと、確かに郵便物が溜まっていた。チャイムを鳴らしてみる。もし出てきたら、「年末年始は火事が多いから火元に注意してください」とでも言っておこうーーーなどと考えていたが、やはり誰も出て来ない。そこで管理人は合鍵で部屋に入ろうとした。だがそこでふと嫌な予感がして、ほんの一瞬だけ躊躇ってしまった。何故か。
2022年6月12日(日)22時00分で出題期間終了の予定です。
転載元: 「憂鬱な安否確認」 作者: TATATO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7424
意を決して学生の部屋に入ることにした管理人。そっとドアノブに手を伸ばす。
---パチッ!
「痛っ!」
最近の空気の乾燥具合から予想していたが、やはり静電気の痛みはイヤなものだと管理人は思った。