素晴らしきダメ人間

今日からある会社で仕事をする事になった太郎。

しかし初日から遅刻、居眠り、責任転嫁とダメ人間の見本のような言動を繰り返す。

そんな太郎を見た一郎は太郎を称賛したのだが、何故だろう？

新型AIを搭載し、人間らしさを極限まで追求したロボット『太郎』。

ぱっと見ダメ人間以外の何者でもない太郎は、あまりの人間らしさにロボットだと気付かれる事すらなかった。

「素晴らしい、なんて人間らしいんだ！」

開発者である一郎がそう称賛するのも当然の、見事な完成度であった。