シン太郎はちょっぴりズボラで、視力も悪い。
なので、ラテ子が落としていった真珠のピアスを発見したのは、本当に偶然だった。
ああ、この間うちに来た時に外れてしまったのかな…今度来る時までに置いておいてあげよう。
シン太郎は、ピアスを無くさないように箱にしまった。
後日、シン太郎はそのピアスをまじまじと見て、ほんの少しだけ怖くなった。
なぜだろうか?
*要知識要素があります。
転載元: 「loving me's like chewing on pearls」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7290
シン太郎には恋人が二人いる。
ラテ子とラル美。
それぞれにもう一人の存在は知らないように、シン太郎は細心の注意を払っていた。
ズボラなシン太郎が、珍しく枕カバーを洗おうとした日、ラテ子のピアスを見つけた。
おいおいおい。気をつけてくれよ。
たまたま気付いたから良かったものの、もし気付かなかったらラル美が見つけたかもしれないじゃないか。
箱にしまって保管しておいたそのピアスを、明るい場所で見てみた。
ピアスには「キャッチ」がついている(イラスト参照)。
もし寝ている間に外れたとすれば、キャッチはついていないはずだ。
ということは、これはラテ子がわざと落としていったもの。
なんでそんなことをわざとやったのか…誰かに縄張りを示すため、としか考えられない。
シン太郎は、背筋がゾワっとして、変な汗が出てきた。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
どうしよう?
今日来るのはどっちだったろうか。
というか、今日どっちかと会う約束なんてしていたっけ?