前フリ

外出しようとする夫を妻が呼び止め、今日は雨が降るから傘を持って行くようにと言った。

夫「外は雲一つない快晴で、天気予報でも降水確率０％だと言っているだろう？一体なんで雨が降ると思うんだい？」

当然、夫が不思議に思って尋ねると、妻はこう答えた。

妻「あなたが赤い服を着ているからよ」

妻のその言葉を聞いて、最終的に夫は外出をやめた。
これは一体どういうことだろう？

夫「うーん？俺が赤い服を着ているからって、なんで雨が降るってことになるんだ？」
妻「あなたが先週、先々週と赤い服を着て外出した時、雨が降ったでしょう？だから、『あなたが赤い服を着て外出すると雨が降る』ってことじゃない？」
夫「バカバカしい！そんなのたまたまじゃないか！おれが赤い服を着て外出することと、雨が降ることに何一つ関係なんてないだろう！」
妻「えぇ、そうね……あなた、今まさに大金を持って競馬に行こうとしたわよね？なんで勝てると思ったの？」
夫「え？そりゃ、今日飲んだお茶に茶柱が立っていたから、縁起がいいって思ってさ！前もそう思って競馬に行ったらちょっとだけ勝てたからな！だから今回は思い切って大金を……！」
妻「茶柱が立つことで競馬で勝てるという結果が繋がることへの根拠を明確に説明できる？」
夫「……あ」

無関係な二つの事象に相関関係があると思い込むことを「錯誤相関」という。
妻は夫にそれを自覚してもらうため、小芝居をしてわかりやすい例を出したのだ。