新聞記者の和敏は、通勤途中、駅前広場で活動展開中の議員を見つけ、思わず足を止めた。
議員は盛んに、個人情報保護の大切さを訴えていた。
感銘を受けた和敏は、さっと身だしなみを鏡でチェックすると、足早に議員の所に挨拶に向かった。
恭しく名刺を渡す和敏。
和敏にはなんの失礼もなかったはずだ。
しかし、和敏のプライバシーは、その議員によって多くの市民に知れ渡ることとなってしまった。
にもかかわらず、和敏は、そのことで気分を害することはなく、むしろ喜ばしい気持ちになったという。
なぜだろうか。
*この問題は600問出題記念のお祝い問題です。 普通のウミガメ問題ですが、問題が解決するか、又は30分経過した時点で、自由質問可能!なお祭りコーナーとなります。年度初め、環境の変わった方もおられ、落ち着かないかもしれませんが、心地よい春の陽気の中、お好きなお飲み物を召し上がりながら、リラックスしたひとときを過ごしていただければ何よりです♪ 問題が解決していない場合、1時間経過後に再び通常の問題形式に戻ります。 ご新規の方も遠慮なくどうぞ! 皆さま、どうぞお楽しみくださいませ!!
Special thanks to:メラさん(SP)
転載元: 「【BS・600問突破記念問題 】Happy Birthday, Mr. President」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7182
学生時代の憧れだった女性が議員になっていた。
演説中に声をかけたら、マイクが入ったまま、誕生日を祝われた。
公衆に自分の誕生日をバラされたが、彼女に誕生日を覚えてもらっていたこと自体は嬉しかった。
駅前でマイクを持って演説する議員の姿に、和敏は思わず足を止めた。
梨恵ちゃん。
鏡を見て、身だしなみのチェックをすると、名刺を手に梨恵に歩み寄った。
「市民の皆さま、このネット社会、私たちの個人情報の多くが危険に晒されています。特にお年寄りや子供、若い女性を狙った犯罪が後を立ちません、私鷺沢は、市民の皆さまの個人情報を…」
「あの、鷺沢梨恵さん、ですよね?演説中ごめんなさい。覚えてるかわからないけど、三好和敏です。大学で一緒だった。今、山猫新聞の社会部記者をしていて…」
そう言って、名刺を差し出す和敏。
「あー 和敏??元気だった〜?卒業以来だよね?」
駅前を歩く人たちがふと足を止めて振り返る。
「ちょっと、梨恵ちゃん、マイク入ったまま…」
「お久しぶり!全然変わってないね!…あ、そう言えば、来週誕生日だったよね?おめでとう!今度ご飯でも行かない?」
ただの演説の時はそのまま通り過ぎていた人々が、急に足を止めて目を向ける。
いたたまれなくなって、「こ、今後ともよろしく!」と言ってそそくさと立ち去る和敏。
大学時代から目立っていた梨恵。和敏の憧れの人だった。
風の噂で議員になったと聞いて、ぴったりだと思った。
だけど、ここに演説に来ているなんて思わなかった。
それにしても、まさか語学のクラスが一緒だっただけで、ごく普通の学生だった自分のことを覚えていてくれたとは。
しかも誕生日まで。
通行人に名前や誕生日まで知られちゃったのは恥ずかしかったけど、正直ちょっと嬉しかった。
もちろん社交辞令…っていうか、有権者サービス?なのかもしれないけど、誕生日まで覚えててくれたのは、悪い気はしなかったな。
少し幸せな気分で新聞社についた和敏は、いつものようにパソコンを立ち上げた。
去年の大晦日にBSをしてから、3か月ちょっと。
この3か月は自分にとって、なかなか辛い3か月でした。
フィジカルにもメンタルにも、プライベートでもオフィシャルでも(労災事故とかフィジカルでオフィシャルな辛さの頂点でしかないw)、そしてCindyでも思うようにいかないことがあったりして。
(そんな中で思いついたのが百人一首連作だったりするんですけどw)
だけど、4月を迎え、いろいろなことが吹っ切れた気分です。
新しく素敵なスタートを切れたんじゃないかなと思います。
皆様の中にも、新しい環境を迎えられる方もいらっしゃるやに聞いております。
環境の変わった方も、そうでない方も、今後も楽しくウミガメしていただければ嬉しいです。
Cindyにも、新しい方が訪れてくださったり、お久しぶりの方がいらっしゃったり。
もちろんずっといらっしゃる方もおられます。
そんな誰もが、ここが居心地の良い場所だと思ってくださいますように✨
と言っても、私にできるのは、なんとか問題を出し続けることぐらいですがw
いつも申し上げておりますが、問題に出題してくださった方、そして、楽しくCindyで遊べるようにサポート等してくださっている方に、心より感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。
ごきげんよう。
”The lark’s on the wing;
The snail’s on the thorn;
God’s in His heaven,
All’s right with the world!” (Robert Browning)
Best, gattabianca