3年間の海外勤務を終えて無事帰国した猫山御影。
日本の本部配属になり、3ヶ月が経とうとしている。
そんなある日、海外から送った船便の引越荷物が、無事通関を終えてようやく到着した。
赴任先で買い集めた、趣味のアンティークやヴィンテージの食器や小物、服飾品などが破損することもなく到着し、御影はご満悦だった。
しかし、荷物の中から出てきた、大切に梱包された、7つのグラスを見て、御影は頭を抱えた。
もちろんグラスは傷ひとつない状態で届いたのに、なぜだろう?
*設定はこちらやこちらの続きなのですが、特にそちらを踏まえなくても解けます。(ほんの少しだけヒントになる箇所もありますが、読んでいなくても問題ありません)
*4月11日(月)21時頃終了の予定です。
転載元: 「my closet all cleaned out」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7169
1脚、アパートの備品のグラスが混ざってしまっていた。
海外からの引越し業者は細かい荷物も全部梱包してくれる、いわゆる「お任せパック」だった。
それが現地業者のデフォルトなのかはわからないが、仕事の引継ぎも忙しいし、どうせ費用は会社持ちなのだからとそれを頼むことにした御影。
数ヶ月経って、ようやく日本に到着した荷物を、ひとつひとつ丁寧に開封していく。
なかなか楽しい時間だ。
…ああ、このビンテージシャンパングラスは特に気に入ったやつだ。
アパートの備品としてあった(食器などが一通りついている部屋だった)のがとても素敵で、同じようなのをアンティークショップで探して買ったんだっけ。6脚セット。
…6脚?
目の前には、7脚のグラスが並んでいる。
記憶が蘇る。引越し作業の前日は、帰国祝いにと、ちょっと高級なシャンパンを空けることにしたのだった。
部屋の備品の、あのグラスを使って。
そして、そのグラスをそのまま机に置きっぱなしにしていた…。
既に同じようなグラスをいくつか梱包して詰めていた引越し作業員が、これも私物だと思ったとしても不思議はない。
どうしよう。
グラス一つ、わざわざ海外まで送り返すなんて、割れずに届く保証もないし、下手するとまた関税だなんだで面倒だ。
その分お金を送金する?それもなかなか手間だ。
まあ、1脚足りなくても割れてしまったのかと思われるだけだろうから、このまましらんぷりを決め込んだっていいんだけど…でも良心が咎める…うーん…
と、悩んで頭を抱える御影であった。