We will work and strive

毎日、１時間かけて通勤している辰巳美也。
通勤は彼女にとって辛いものだった。
ある時から、彼女の通勤時間は１時間半になった。
しかし、彼女は文句を言わなかったという。
どういうことだろうか。
なお、使っている通勤電車の路線や等級は同じものとする。

＊百人一首　その八　【わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまと　ひとはいふなり】からのinspireです。

美也は、都心のオフィスまで１時間かかる郊外の家に住んでいた。
毎朝、通勤電車のひどい混雑にうんざりしていた。

そんな美也が、人事異動で地方の支社に転勤することになった。
自宅から支社までは１時間半かかるが、都心と反対方面なので、電車は空いている。

満員電車で立ったまま１時間過ごすより、ゆっくり座って本を読んだり動画を見たり眠ったりして１時間半過ごす方がずっといい。
美也は、向かいのホームに止まるぎゅうぎゅう詰めの電車を横目に、そっと目を閉じた。