富士山のせいで、睡眠が十分取れないことが多かった藤野雪子。
でも、この頃はぐっすり眠れるようになった。
どうしてだろう?
*百人一首 その四 【たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ】 からのinspireです。
転載元: 「I wanna stand with you on a mountain」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7042
仕事で週に何度も名古屋と東京を往復しなければならない藤野。
仕事が忙しく、家ではゆっくり眠れないので、移動時間は貴重な睡眠時間だ。
ところが、ちょうど半分ぐらいを過ぎたあたりで、
「パシャッ」「カシャッ」
外国人観光客を中心に、多くの人がシャッターを切る音が聞こえる。
もともと眠りの浅い藤野は、つい目を覚ましてしまうのだ。
雨の日や雲の強い日などは写真を撮る人も少なく、ぐっすり眠れるのだが、天気の良い日はシャッター音の嵐だ。
もちろん、綺麗な富士山を写真に収めたい気持ちもわかるので咎めることはしないが、やはりできればゆっくり眠れると嬉しい。
ところが、最近、外国人どころか新幹線の乗客自体大幅に減少した。
乗っているのもビジネス客などが多く、シャッターを切る人などほとんどいない。
(ぐっすり眠れるのは嬉しいけれど、またみんな自由に旅行できるようになるといいなあ…) と複雑な思いの藤野であった。