女は、別に詳しくもない養蚕の話をしては、相手を困惑させる。
時には、パズルまがいのトリッキーなセリフを言って、訝しがられる。
しかし、新人フィギュアスケート選手が世界大会で優勝した日を機に、その回数はだいぶ減ったという。
どういうことだろうか。
転載元: 「She’s lucky, she’s a star」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7001
名前の漢字を説明するのが楽になったから。
「お名前は?」
「海山繭香です。魚のいる海にマウンテンの山、繭は、えーっと、蚕の繭」
「か、かいこ…?」
「養蚕業の蚕の繭です。絹を取ったりする…」
「さんぎょうのかいこ…産業の解雇、ですか?」
ああ、いつもこうだ。
繭香という名前は可愛いと思うし、親には感謝しているのだが、どうも説明しづらくて困ってしまう。
見たら割とみんな読めるのだけれど、書いたことのない人がほとんどだ。
「あ、ええっと、くさかんむりの下に、雨の枠みたいなのを書いて、雨の点々の代わりに、縦線の左側が糸で、右が虫です。」
「…は?」
そんなある朝、いつものようにネットニュースを開いたら、
「15歳新星!星野繭、初の世界大会でフィギュアスケート女子シングル金メダル!!」
というニュースが飛び込んできた。
新聞もテレビも「繭ちゃん」一色だ。
〜次の日〜
「あ、マユカは、『星野繭』 の 『繭』 に香りです!」