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もう頑張らなくてもいい

[ウミガメのスープ]

公園で息子と楽しく砂遊びをしていた男は息子がトイレに行ったのでベンチに座って休むことにした。
しばらくすると一匹の子犬が近くに寄ってきた。赤い瞳の特徴的な見た目をしている。
しかしこの状況、どこか見覚えがある。男は強烈な既視感に襲われた。
その後子犬に続いて駆け寄ってきた息子の顔を見ると、酷い顔だった。
限界までやつれ果て、泣き腫らした顔をしている。つい先ほどとはまるで別人のようだ。
男は息子の顔を見た瞬間に全てを思い出し、そして理解した。息子が口を開くのを手で制した男は
「大丈夫。もう頑張らなくてもいい」と伝えた。
すると息子は男に抱きついて声を上げて泣き続けた。
その日の夜、男は亡くなった。
状況を説明してください。


出題者:
出題時間: 2022年2月3日 23:23
解決時間: 2022年2月4日 0:18
この作品は
CC BY-NC 4.0
の下で公開されています。
転載元: 「もう頑張らなくてもいい」 作者: ブラックホール (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6976
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※「昨日公園」という話が元ネタです。
要約解説:息子は、死ぬ運命にある主人公を救おうと公園でタイムスリップを何度も繰り返していた。しかし、主人公も過去に全く同じ場所、同じ状況で友人を救おうとした経験があり、タイムスリップを繰り返せば繰り返すほど悪い結果になることを知っていた。やつれ果てた息子を見て、過去の自分と同じ運命をたどっていることに気づいた主人公は、「大丈夫。(自分のために)もう頑張らなくてもいいよ」と語った。

※以下、詳細(ほぼコピペです)
駆け寄ってきた息子と子犬を見て男は子供の頃を思い出していた。
~(回想)~
当時小学生だった自分は今と同じように友人と一緒に公園で砂遊びをしていた。そこで主人公は息子と同じように途中でトイレに行った。その帰り、赤い瞳の子犬がベンチで休んでいる友人のもとへ歩いていくのを見た。主人公と友人は不思議に思ったがその後そのまま別れた。それが最後の別れになるとも知らずに。
その日の夜に、帰宅途中の友人がタクシーに轢かれてなくなったと聞かされた。
父と共に事故現場に行くと、地面に微かな血の跡があった。
主人公はひどく悲しみ、通夜にも行かず時間を潰し、 そして最後に友人と砂遊びをした公園に行こうとした。

すると見覚えのある一匹の子犬が目の前を横切って行った。思わず子犬のあとをついていくとそこには死んだはずの友人がいた。時間が昨日に戻っている。
信じられない状況にとまどいながらも、友人を死なせずにすむかもしれないと意気込み、
主人公は友人を家まで送って行った。友人は無事に事故に会わずに帰れた。

しかしその夜、またしても友人が死んだと聞かされた。
一度家に帰ってから頼まれたお使い先で、ダンプに轢かれたのだった。
父と共に事故現場に行くと、道路いっぱいにおびただしく血が広がっていた。

今度こそ友人を救わなければと主人公は思い、前回と同じ行動の末に友人に再会する。
家に帰ったらもうそこから出てはいけない、絶対にだと念を押し、また別れる。
だがやはりその夜に、友人が死んだと聞かされた。
家人が出ている間に火事が起き、友人は家ごと焼け死んだという。

自分が救おうとすればするほど友人の死に方が酷くなっていっている。
今度こそ確実に助けなければと、憔悴しながら主人公は思う。

とある日、また過去に戻った主人公は、泣きながら友人にすべてを話す。
自分は未来から来ている事、どうにかしないと友人が死んでしまうという事。
トイレから帰ってきただけなのにひどく疲れ切り泣き腫らした主人公の顔を見て、友人はそれを信じる。
事故にも火事にも気をつけるよと友人は誓う。

安心したのも束の間、またしても友人が死んだと聞かされた。
今度はガス漏れで、友人だけではなく幼い妹も亡くなったという。
過去に戻る主人公。そのやつれ果てた顔に友人は驚く。
だが主人公はなにもわけを話さず、ただ一言訊ねた。

「お前の一番大切なものはなんだ?」

「俺は兄ちゃんだから妹が一番大切だなあ」

友人はそう胸をはり答える。もうどうしようもない、主人公は何もせずに帰った。
やがて友人がタクシーに轢かれて亡くなったと聞かされた。
主人公は友人の通夜に出た。それきり過去には戻らなかった。

~(回想終了)~
息子がトイレから帰って来たことで、主人公は回想を終える。
どこか息子の様子がおかしい。
いつもは憎まれ口ばかり叩く息子が、おびえたように主人公を見上げる。
その表情から主人公は全てを察する。息子もかつての自分のように戻ってきたのだと。
そしてこれから自分の身になにかが起こり、息子はそれを阻止しようとがんばっているのだ。

「もうお父さんのためにがんばらなくてもいいんだよ」
そう言う主人公に、号泣しながら息子は抱きついてきた。
出典:https://dic.nicovideo.jp/a/昨日公園


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Cindy