ブーメランは元々狩猟用の道具として作られた投擲武器で、投げると大きく円を描くように戻ってくる独特の軌道が特徴である。
しかしそれは何も当たらなければ、なので障害物の少ない場所でないとうまく使えない。
また、当然ながら獲物に当たった時点で落ちる。一投で複数仕留められるなんて事は滅多にない。鳥に当て落下先に別の獲物がたまたまいた、ぐらいがせいぜいである。
ここで問題。とある原住民がブーメランを一回投げて十匹の獲物を仕留めたのだが、一体どうやったのだろう?あるいは何が起こったのか?
*ノーキンさんおまけ2のリサイクルです。
転載元: 「【狩りますか?リサイクル】let them rain」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6882
ラテラル・ジオグラフィックの取材でその村にやってきた私は、伝統的なブーメラン猟の名手と言われる、カユプテ氏に会う機会を得た。
あなたは、飛んでいる鳥を複数打ち落とせるのかと尋ねると、カユプテ氏は首を傾げ、怪訝そうな顔をして答えた。
「いくら名手といえども、飛んでいる鳥を落とすのは至難のわざだ。
当てたところで、1つの獲物しか撮れないし、当てたらブーメランを回収できないことも多い。
そもそも、その場合鳥は死んでしまう。
この森の鳥は絶滅危惧種が多く、環境省からも厳しくチェックされているのだ。
だからこれはこうやって使う。」
そう言うと、カユプテ氏はブーメランを投げた。
投げられたブーメランは、見えなくなるほど遠くまで飛んで行った。その先には、木の高い所に網状の罠が設置されている。
そして、ブーメランが、その網を縛っている紐を切ると、網が落ちてきた。
我々は、網が落ちた先まで急いで走った。罠には、鳥がたくさんかかっている。
1、2…10羽ほどだろうか。中にはあまり見かけない種類の物もいる。
「この鳥から装飾用の羽根を何本か取ってリリースすれば環境省のお咎めもなしです。特に珍しそうな鳥は、環境省や研究施設に送ることもあるんですよ。これとかこれはあまり見ないな。」
カユプテ氏は、網に引っかかったブーメランを外しながら、自慢げにそう語ると、特に珍しげな鳥の写真をiph○neで撮影し、環境省に送っていた。
ブーメランは遠方にある罠の紐を切り、作動させるために使っているから。