some boys try, and some boys lie【遅れてきたHBC】

嘘つきのパラドックスとして有名な、「エピメニデスのパラドックス」というものがある。
「『クレタ人は皆嘘つきだ』とクレタ人が言った」、というやつだ。

「私は闘牛士です。闘牛士の男なんて嘘付きばっかりですよ、お嬢さん。私がこう言ったからって、特に矛盾はしてないと思うんですが、違いますか？」

これを言った闘牛士は、なんでこんなことを言ったのだろうか？

＊設定はフィクションであり、出題者は、クレタ島の人、及び闘牛士に対して非難する意図を有していません。

＊この問題は、2020年10月〜の「ますか？」のお題と、「ヘラクレスの１２の難行」を掛け合わせた、連作「エルコーレビアンカの１２の冒険」の１問です。
この問題のテーマは、【嘘 vs クレタ島の牡牛】です。

：語り手が女性闘牛士であること、そして、「お嬢さん」に恋をしていることを指摘すればFA。

私はミランダ。
この町で初めての女の闘牛士だ。
女が闘牛士をやるなんて、って眉を潜める人も多かったけれど、実力でなんとかここまでやってきた。

体力には自信があったし、仕事できついと感じたことはなかった。
きつかったのは、同僚との関係だ。
セクハラ、パワハラはひどいものだった。
何よりひどいのは、みんな平気で嘘をつく。

女の子たちは、闘牛士に憧れ、みんな付き合いたいと思ってるみたいだけど、実態を知ったらきっと幻滅するだろう。

ショックだったのは、私の大好きなドナテラまで、私の同僚に口説かれて満更でもなさそうな様子だったことだった。
やめておけよ。あいつらろくなもんじゃないよ。
嘘つきばっかりだし。遊ばれて終わるよ。
そんな男の闘牛士なんかより、私の方がずっとあなたを愛しているのに。
ねえ、私の方を見てよ。

＊繰り返しますが、出題者は闘牛に対しては反対のスタンスを取っているものの、闘牛士に対して非難する意図はありません。この問題はあくまでもフィクションです。