「たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかは いまかえりこむ」
百人一首のこの札を玄関に掲げておくと、いなくなった猫が帰ってくるという言い伝えがある。
ところが、飼い猫を探している女が玄関に掲げた札は、
「はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま」
である。
どうしてだろうか。
*Q10 セルフリサイクルです。
転載元: 「【カードますか?リサイクル】ほんたうのブルジョアとは一体なんだらう」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6742
:百人一首の札ならどれも同じに見える海外のお話だから。
ここはとある地中海沿岸の町。
毎週土曜日になると蚤の市”Mercato delle pulci”が立つことで知られている。
“Ciao! カムパネルラ! 浮かない顔をしてどうしたの?”アジア系の骨董品を広く取り揃えている店の主人、ジョバンニが声をかけた。
”Ah! ジョバンニ! 聞いてよ。私の可愛いインペラトリーチェちゃんが家出をしてしまったの。”
”Mamma mia! それは困ったな。でも、そんなカムパネルラにちょうどいいものがあるよ。このカードだ。ジャッポーネでは、猫がいなくなるとこのカードを自宅のドアに貼っておくらしいんだ。そうすると帰ってくるっていう言い伝えがあるらしいよ。”
”まあ。たくさんの種類があるのね。Che bella! とても素敵。どれがいいのかしら?”
”確か、元々はどれか一枚だったらしいんだけど…まあどれでも効果は一緒なんじゃないか?”
”だったら私はこのお姫様の絵がいいわ。綺麗なキモノを着ているし、なんかカラフルな台の上に乗っている…女王様?ああ、日本にはインペラトーレがいるから、インペラトリーチェかもしれないわね。ちょうどいいわ。これいただくわね。え、3ユーロ? 2ユーロに負けてよ”
そうして、インペラトリーチェちゃんが帰ってきますようにとの願いを込めて、買ってきた「はるすぎて」の持統天皇の読み札を玄関に掲げたカムパネルラ。
あ、百人一首の効果かどうか、可愛いインペラトリーチェちゃんは一晩で戻ってきたそうです。
インペラトリーチェ:女帝。皇后。カイザリン。