「お風呂が沸きました」
その声を聞いたタエコは、ヨシオをぶん殴った。
なぜ?
*この問題は「メライクル」を通じてメラ様からご提供いただいたものをもとにしました。メラ様、どうもありがとうございます。
*元ネタがあります。
転載元: 「It's like an angel sighing」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6664
「金はどこにあるんだ。命が惜しけりゃ金を出せ。…なんだ、お前目が見えないのか。こいつは好都合だ。」
私は焦った。なんとかしてこの場から逃げないと。
「Cindy、部屋の明かりを全部消して」
「あ、お前何を…」
真っ暗な部屋なら私に分がある。
毎日過ごしている自分の家なので、問題なく動き回ることができる。
スマートスピーカーは私の声にしか反応しないから、私以外の人間が電気をつけることはできない。
なんとか玄関までたどり着いたらこっちのものだ。
家に鍵をかけて出てしまえば、通報する時間は稼げる。
ただ、それまでの間に相手にぶつかったら危険だ。
こちらの居場所がわかってしまうし、最悪その場で殺されてしまう可能性もある。
私はとりあえず護身用に隠してあったバットを手にしたが、相手の場所がわからなければなんともしようがない。
その時だった。
「お風呂が沸きました。」
「??」
声の聞こえ方がいつもと違う。
これは、スピーカーと私の間に相手が立っているに違いない。
私は、自分の聴力を信じて、いちかばちか全力でバットを振り下ろした。
「…うぐっ…てめえ…」
こちらの場所が分かってしまったからには、これ以上の攻撃は無理だが、とりあえず、相手が怯んでいる間、玄関まで走って逃げ出すことはできる。
そうして、私は、助けを求めに家を飛び出したのであった。
*元ネタ 映画「暗くなるまで待って」(実は見たことありません)