海から登ってくる朝日を撮影しようとして、カメラのレンズを東に向けていたカメオは、空がだんだん明るくなるのを見ながら激しく後悔していた。
撮影はうまくいったのに、一体何を後悔した?
*Q9 名無し編集者さんのリサイクルです。
転載元: 「【変化ますか?リサイクル】n’aria serena doppo na tempesta」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6638
崖ギリギリで撮影していたので、転落してしまった。
崖ギリギリまで行って三脚を立て、海から登る朝日の動画撮影を始めたカメオ。
朝焼けが本当に美しい。
本来であれば、崖の際は立ち入り禁止区域であるのだが、朝の早い時間なので誰も監視する人がいない。
まあ後でカメラを回収しにくれば大丈夫だろう。
そう思って戻ろうとした途端。
「ずるっ」
足元が滑った。
朝焼けが綺麗な条件、それは空気中の湿度が多く、空気中の塵が洗い流された、雨上がりの時である。
足元は相当ぬかるんでいた。
「わーー」
気付けばカメオは崖から転落していた。
幸い、途中の木に引っかかっていてなんとか命は助かっていたが、こんな所、誰か助けに来てくれるだろうか…通りかかった人がカメラを見て気にしてくれればいいのだが、それもいつになることやら。
白白と明るんでいく水平線を見ながら、カメオは立ち入り禁止の注意を守らず、崖の先まで来たことを激しく後悔した。
(その後、通行人の通報で助けてはもらえたのだが、管理責任者からひどく怒られたとのこと。
それでもカメオは、綺麗な動画が撮れていたのが救い、と思ったとかなんとか)