親父がボロボロに傷ついた茶碗を見てため息をつく。
大のパン好きの親父はこのところずっとご飯ばかりなので飽き飽きしているのだ。
だけども今日は久しぶりにパンが出たのに親父は浮かない顔をしている。
一体なぜ?
転載元: 「新ラテシン 拙者クサイ?(´・ω・`)」 作者: 天童魔子 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6520
親父は年を取り要介護が必要となった。
歯も全部抜け落ちてパンなんて食いちぎれないのに
パンを食べさせろと子供のように癇癪を起し茶碗を投げ飛ばす。
正直、もう限界だった。
ある日、わざとパンを与え親父が1人の時に食べるよう促した。
帰ってきたら案の定パンをのどに詰まらせ何とも浮かばれない顔をしていた。
ようやく楽になれたと言う安堵感と共に強い喪失感と罪悪感に苛まれた。
ごめん、ごめんよ親父・・・