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悲しい世界はもう二度となくて

[20の扉]

大学を卒業した頃から、俺はかすかな不安を覚えるようになった。
直視しないようにしていた、しかし本当は、ずっと前から知っていたかもしれない現実。それは年を経ることにリアルさを増していく。
「たまには、実家にも顔を出さないか」
脳裏に浮かぶ父の姿。何を呑気なことを。あなたのせいではないか。
理不尽だと分かっていつつも、俺は父への怒りを抑えられなかった。

久々に帰省した実家は、俺が出て行った時のままだった。
「おお、立派になったな」
そう声をかける父は、俺が想像していたよりずっと変わりなく。そう、ずっと変わりなく。その事実に俺は少なからず動揺してしまっていた。

しばらくしてから、俺はあるものを見つけて悟った。父はずっと、己の運命と戦ってきたのだと。
父が俺の想像を超えていたのは、当たり前のことなんかじゃないってこと。
俺は決意した。父のように、自らの運命に向き合い、全てを失うまであがき続けようと。

さて、俺が見つけたあるものとは?


出題者:
出題時間: 2021年9月26日 0:39
解決時間: 2021年9月26日 0:41
この作品は
CC BY-NC-ND 4.0
の下で公開されています。
転載元: 「悲しい世界はもう二度となくて」 作者: アシカ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6478
タグ:

育毛剤。


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パトロン:
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と 匿名パトロン 3 名
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Cindy