関西では神社にさん付けすることが多く、例えば京都祇園の八坂神社ならば「八坂さん」などと呼び、伏見稲荷神社であれば「お稲荷さん」といった具合である。
ある日、その「お稲荷さん」をお参りしたカメオ。
千本鳥居とも呼ばれるその神社の境内はとても広く、ほとんど山登りに近い参道を歩き回ったカメオはヘトヘトに疲れていたこともあって、下山途中にカメオは足を滑らせてしまい階段から落ちてしまった。
するとたまたまその場を通りかかったカメゾウじいさんは「お稲荷様の祟りじゃあ!」と慌てふためきお経を唱え始めたのだが、そのおかげでカメオは助かったという。
どういうことだろう。
転載元: 「お稲荷様の祟り」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/646
ある日、カメオは妻のカメコと2人で京都へ旅行に来たのだが、想像以上に広い境内を歩き回ったことで疲れ果て来るんじゃなかったと思ったカメコは、日頃からカメオとは離婚したいと思っていた鬱憤もあり口論になってしまった。
怒って先を急ぐカメコを諭そうとカメオが肩を掴んだ時、カメコがそれを振り払うと、疲れて足の踏ん張りが利かなくなっていたカメオは、運悪く階段横の柵のない場所から足を滑らせて崖下に転落してしまったのだ。
しかし、悪いことを考えたカメコ。
このままカメオが死んだら……足を痛めたから先に行ってくれと言われ1人で帰ったと証言すれば……。
そんな悪い考えは、通りがかりのカメゾウじいさんの叫ぶ声に掻き消される。
「お稲荷様の祟りじゃあ!」
目撃者がいたのだ。
しかし彼が一部始終をどこから見られていたかは分からないが、「人殺し」ではなく「祟り」と叫んだということは、カメオが落ちたのは不運な事故だったと証言してくれるかもしれない。現に、わざとでは無いのだ。
瞬時にそう考え直したカメコは、慌てて悲劇の妻を演じ、周囲の助けもあって無事カメオは一命を取り留めたのであった。