トンネルを抜け国境を超えるとそこは雪国だった。
見たこともないちらちらと舞いちる雪。
カメコはその景色に思わず見惚れた。
数年後、同じトンネルを抜けるとそこは
相変わらず雪国だった。
だが、その雪景色をみてカメコは絶望した。
一体何故?
転載元: 「【異国ますか?リサイクル】上見れば虫こ 中見れば雪こ 下見れば綿こ」 作者: ねじ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6451
列車が雪で止まってしまい、目的地に到着できる目途が立たないから。
初めて雪を見てから雪国に魅了されたカメコは、雪国の都市にある大学に入学しようと思った。
数年間、一生懸命勉強し、雪国へ行くことに反対する親を粘り強く説得した。
結果、やっと1回だけ受験することを許してもらえた。
代わりに、もし今年受からなかったら二度と雪国へは行かないと約束させられた。
カメコが受験のために雪国の都市へ向かった日、運悪く記録的な豪雪に見舞われてしまった。
雪は地上にあるものすべてを覆い尽くし、列車はトンネルを出てすぐの駅で停車したまま、運行の目途が立たないと言う。
「受験はもう無理だわ。」
見たこともない「雪だけの景色」を前にして、カメコは絶望していた。